読後感:The Vanished Man

[マジック:壺からの脱出]
書名:The Vanished Man
著者:Jeffery Deaver
評価:![]()
一ヶ月ほど前に読みました。私としてはリンカーンライムシリーズでは、最も面白かったと感じている本です。評価も、文句なく星5つです。
(事前にSidney SheldonのAre You Afraid Of The Dark?を読んで鍛えていたおかげでしょうか。数年ぶりのJeffery Deaver作品、苦労しつつも楽しく読めました)
まず犯人が良いです。今回の犯人はマジックに長けた「魔術師」です。彼はその技を駆使し、犯行を重ねていきます。単に犯罪にマジックを利用するだけでなく、警察の目を誤ったところへ逸らし、捜査を混乱させるための技法としても利用されます。「なぜその被害者たちが狙われるのか?」と、いう理由も分かりません。
謎、謎、謎の連続。そしてThe Cold Moon事件とは違って、真実は手の届くところに転がっています。しかしそれが分かっているのに、犯人の技に阻まれて、真実を掴みとることが出来ない。柔軟性に優れたライムは犯人に対抗するためにマジシャンをスカウトしますが、それでも最初は大変に苦しめられます。それどころか犯人はライムの存在を知り、ライムにもその魔手を...
一体どうやって、Jeffery Deaver氏はこういうネタやストーリーを生み出すのでしょうね。最後の1ページを読み終わるまで、気を抜くことが出来ません。
ところで原作もそうですが、邦訳「魔術師」も良いみたいです。私は訳者の池田真紀子さんの文章を読んだことがありませんが、amazonなどでも評価が高いようです。そして表紙を見ると分かるのですが、必ずタイトル(原題)が記載されています。(本作の場合だと、「Vanished Man」の部分)
これ、実はJeffery Deaver氏の小説を読む上では非常に重要なのです。氏も最近のインタビュー記事で語っていますが、彼は小説のタイトルに、二重の意味を持たせているそうなのです。そういう面からも、タイトルは重要です。もちろん彼女はそういう意図を見抜いて、それをさりげなく表紙カバーに利用しています。さすがですね。
それにタイトルも良いです。この犯人はマジックのプロなので、何も考えずに翻訳すると「マジシャン」です。しかし本の内容から考えると単にマジックのプロというだけには留まらず、まさに「魔術師」という表現がふさわしいかと思います。翻訳家とはいえ、こういうスゴイ方が翻訳するので、日本でのJeffery Deaver氏の評価が、非常に高くなっているような気がします。もちろん原作も素晴らしいので、翻訳家が翻訳すれば十分に高い評価になるとは思いますが。
| The Vanished Man: A Lincoln Rhyme Novel (Deaver Jeffrey (Large Print)) | |
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